昨日、Youth Community for Global Hibakusha とカクワカ広島共催で映画『放射線を浴びたX年後III サイレント・フォールアウト』の上映会&トークセッションを開催しました。
この映画は、1950-60年代にかけて米国内で繰り返された核実験が、当時から今日に至るまで米国の人々と環境にどれほど甚大な影響を及ぼし続けているのかに焦点を当てたドキュメンタリーです。さらに米国だけでなく、核保有国による太平洋地域をはじめとした世界各地での核実験によって、日本を含む世界中が放射能汚染されていることが明らかにされました。
トークセッションでは、監督が映画の制作に至った経緯やこれまでに行った米国内での上映会の感触、取材時のエピソードなど、さまざまなお話をお聞きすることができました。伊東監督が特に強調されていたのが、数値・データで示すことの重要性です。核保有国によって繰り返されてきた加害、その事実を、数値で突き付けていく。これから活動を続けていく上で大切な学びを沢山頂きました。私たちはこれまで折に触れて、「核兵器の被害は経験していなくても、この世界に生きるすべての人々は12,000発以上の核兵器が存在する核時代の当事者である」という被爆者の方々の言葉を伝えてきましたが、この映画はそのことを如実に表していると思います。
日本は米国の核の傘の下に入ることで、核の被害を生み続けることに加担しています。また、核実験による影響で家族や友人を亡くし、自身も健康被害に苦しみ続けている米国の人々が、当初政府に「核実験は人体に影響はなく、安全だ」と言われてきたという描写は、今まさに議論されている福島の汚染水の問題を思い起こさずにはいられません。過去に起きた世界の核被害を知ることが、今ある問題を冷静に見つめ直し、新たな核被害/加害を食い止めることに繋がると改めて感じました。
また、映画のもう一つのテーマである女性たちの行動とそれによって生み出された世界の変化にとても力づけられました。彼女たちに倣い、次世代により良い世界を残すために私たちも具体的に行動していかなければなりません。
そして今回伊東監督のご意向で、映画のエンドロールのBGMとして、弊会メンバーそしてYouth Community for Global Hibakushaコーディネーターの瀬戸麻由が作詞作曲した『Colorful World』が使用されました。映画で描かれた内容と歌詞がぴったりと重なっていたと思います。何より、私たちも大好きなこの歌が映画の終わりに流れてきたことがとても感動的で、「よし、また頑張るぞ」という思いが湧き上がってきました。監督も仰っていましたが、音楽のちからは絶大ですね。映画のこのバージョンが広がってほしいと思います!
setomayu『Colorful World』ぜひお聴きください。
今後伊東監督は、核兵器開発の過程で国民に知らされないままアメリカ大陸が放射能で汚染されていたことをより多くの人に広めるため、米国各地を巡り上映活動をされる予定です。また、この映画を通して核保有国である米国で放射能について改めて議論され、米国議会でこの問題がもっと大々的に取り上げられることを具体的な目標に掲げていらっしゃいます。
今回参加者の皆さまに頂いた参加費、カンパは、イベント開催に係る費用と今後の伊東監督の今後の上映活動に充てさせていただきました。皆さまと一緒に少しでも伊東監督の作品を広げるお手伝いができたことを嬉しく思うとともに、今後もさらに注目を集めることができるよう私たちも努めて参ります。今回スタッフ含め52名の皆さまと一緒にこの時間を過ごせたことをとても嬉しく思います。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
核兵器の問題を色んな角度から考え、知る機会を作ることが急務だと改めて考えさせられた今回。カクワカ広島は来月こんなイベントを開催いたします!題して、「核廃絶国際デー企画!調べ学習発表「核兵器禁止条約 6条&7条アップデート!」
9月26日の核廃絶国際デーに合わせ、11月末に控える核兵器禁止条約第2回締約国会議に向けて、調べ学習イベントをやります!詳細は以下リンクから。ぜひご参加ください🎉