先週火曜日、9月26日の核兵器廃絶国際デーに合わせてイベントを開催しました。タイトルは「核廃絶国際デー企画! 調べ学習発表 核兵器禁止条約 6条&7条アップデート!」。とてもニッチなテーマでしたが笑、普段よりも多くの方々にご参加いただきました。みなさんこういった内容を求めていたのかも?!
イベントでは、被害者援助や環境修復などについて定める核兵器禁止条約6条・7条の概要や昨年ウィーンで開かれた締約国会議について紹介した後、現在6条・7条についてのワーキンググループの中で進んでいる議論の様子を瀬戸と田中がお話ししました。
ワーキンググループの主な議論としては以下の三つが挙げられます。
・国際信託基金
・自主的な報告
・国内実施
被害者援助や環境修復に不可欠なお金をどのように工面していくのか、誰が受け取ることができるのかといった基金の枠組みや、報告のためのフォーマット作り、支援を実際に広げていくための方法の構築など、具体的で綿密な議論が進められていることが分かりました。
次に、木村からそもそも世界でどんな核被害がこれまで繰り返されてきたのかについてをお話しし、それに対してなされてきた援護法などについて、日本、カザフスタン、マーシャル諸島を例に髙垣が説明しました。参考文献として、竹峰誠一郎さんの「核兵器禁止条約がもつ可能性を拓く-世界の核被害補償制度の掘り起こしと比較調査を踏まえて」(2022) を引用させていただいたので、そちらもぜひお読みください。
https://www.jstage.jst.go.jp/.../58_580005/_article/-char/ja
後半は、カクワカ広島メンバーから調べ学習をしてみての感想や、ワーキンググループでの議論を聞いて思うことなどをシェアしました。以下がその一部です。
・条約で具体的にどんな内容が話し合われているのかを全然追えてなかったので勉強になった。
・支援を考えるときに言語の壁が大きいと思った。実際に支援を必要としている人は英語を話せない場合が多く、その人たちが議論に加われるような設計に本当になっているのか気になった。
・核保有国が参加しない中で、実際今できることを着実に進めている様子が見て取れてシンプルに希望を持てた。
最後に、参加してくださったみなさんからも感想を頂きました。
・広島や長崎のことを学んできたが、今日の内容はほとんど知らず、勉強になった。
・核兵器禁止条約が進んでいることが理解できた。
・条約のことを知りたいと思っても、どんな動きがあるのかネットで見つけることも中々難しい。今日のまとめがとてもためになった。また他の議論も注目したい。
これまでカクワカ広島では色んな調べ学習イベントを開催してきましたが、メンバーにとってもお互いに学びを深めることができるとても大切な時間になっていると感じます。また、条約が作り上げられていくプロセスを知ることで、当たり前ですが現在進行形で議論が進んでいることや市民社会の関わり代を感じることができ、希望が湧いてきます。日本で活動をしているからこそ得られる視点や批判的な眼差しも大切にしながら、私たちも一緒に条約を育てていけたらいいなと改めて思いました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
イベントのアーカイブはこちらからご購入いただけます。
次回は以下のイベントを開催します。
「カクワカ広島が語る Z世代と”戦争”」
日時:2023年10月27日(金)19:00〜21:00
場所:Social Book Cafe ハチドリ舎、オンライン
詳細・お申し込みはこちらから。沢山のご参加、お待ちしております!